安全運転のポイント

4月の安全運転のポイント

いい運転、ハートフル
平成11年4月


昨年、全国では、人身交通事故が803,878件(前年比+23,479件)発生し、6年連続して過去最悪を更新しました。また、交通事故による死者は、9,211人で前年よりも429人減少しましたが、負傷者数は、990,675人(前年比+31,750人)と大幅に増加し、憂慮する事態となっています。悲惨な交通事故を防止することは、ドライバーの皆さんをはじめ、社会の願いです。そこで、今月は、昨年の交通事故のうち、とくに死亡事故の特徴と事故防止策についてまとめてみました。

若者の「自動車乗車中」と高齢者の「歩行中」の死者が多い
死者を状態別にみると、「自動車乗車中(3,972人)が最も多く、次いで「歩行中(2,605人)」、「自転車乗用中(988人)、「自動二輪乗車中」(886人)、「原付乗用車(746人)の順となっています。自動車乗車中の死者数は、平成7年以降減少していますが、43.1%と依然として大きな比重を占めています。
また、状態別の死者を年齢層別にみると、もっとも多いのが65歳以上の歩行中(1,572人)、次いで16〜24歳の自動車乗車中(1,021人)です。相変わらず、高齢者と若者の死者が多いことがわかります。(グラフ1)

死亡事故の最多原因は「最高速度違反」
死亡事故を法令違反別にみると、前年同様運転者の「最高速度違反(1,490件)」がもっとも多く、次いで、「脇見運転(1,092件)」、「漫然運転(931件)の順になっています。(グラフ2)。このうち、最高速度違反による死亡事故は、昨年よりも152件減少しましたが、脇見運転(前年比+40件)、漫然運転(+10件)とも前年より増加しました。

死者の6割がシートベルト非着用
自動車乗車中の死者3,972人のうち、シートベルト着用者が1,225人だったのに対し、シートベルト非着用者は2,588人と、着用死亡者数の2倍以上となっています。また、シートベルト着用死者数・非着用死者数とも昨年より減少したのに対し、非着用死者の構成率は65.2%と、前年(63.4%)よりも高くなっています。

速度違反は、「死亡事故」を招く
ドライバーの皆さん、車の速度を甘く考えすぎてはいませんか?速度を出し過ぎて走行すると、危険を発見しブレーキをかけて停止しようとしても、停止距離が長くなるため思うように停止できず、事故となります。しかも、速度が出ているほど、事故時の損害も大きくなります。また、カーブ走行では、車に遠心力がかかるため、カーブの手前で減速していないと、対向車線に飛び出したり、ガードレールに衝突するなどの事故が起こりやすくなります。「少しくらいスピードを出し過ぎても大丈夫」というドライバーの油断が、死亡事故などの重大事故に結びついています。制動距離、遠心力、事故時の衝撃力などは「スピードの二乗に比例して大きくなる」ことを念頭において、危険を発見したときも安全に停止できる速度で走行することが大切です。

高齢者を見かけたら、まず減速
高齢の歩行者の中には、車が接近していても「車が止まってくれる」と考え、急に無理な道路横断を始める場合があります。また、一般に交通ルールに弱くなる傾向があることから、信号を無視して横断を始める場合もあります。さらに、反射神経の衰えから敏速に対応できないこともしばしばです。ドライバーの皆さんは、走行中に高齢者を見かけた場合は、その動きに十分注意し、一時停止や徐行するなどして、高齢者の通行を妨げないようにしましょう。

シートベルトの着用を忘れずに
昨年、自動車乗車中に死亡した人の6割強がシートベルトを着用していませんでした。これらの事故のうち、「シートベルトを着用していれば軽傷で済んだ」というケースも少なくありません。たった一つしかない大切な命を守るため、「車に乗ったら全員シートベルト(子どもには、子ども用シートの着用)」を励行しましょう。(なお、エアバッグ付車であってもシートベルトの着用は必要です)。

安全運転知識ワンポイントテスト

次の1.〜3.の問いについて、正しいものには○、誤りには×をつけてください。
1. 一般に、空車時より積載時のほうが制動距離が長くなる。
2. 一般に、乾燥舗装路面でスピードが2倍になれば、制動距離は4倍になる。
3. エアバッグ装備車両であれば、シートベルトは、着用する必要はない。

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