安全運転のポイント

12月の安全運転のポイント

いい運転、ハートフル
平成18年12月


 近年、自動車の盗難が急増し、2003年には6万4千台を超えました。その後は減少傾向にあるというものの、2005年においても4万6千台を超える自動車が盗難に遭っています(図1)。また、車上ねらいも多発しており、最近はカーナビを盗まれるケースが増えています。
 「自分の車だけは大丈夫」という油断や心のスキが自動車盗難や車上ねらいを招いてしまいます。特になにかとあわただしい年末は、自動車の保管に対する注意が欠けやすいときです。そこで今回は、自動車盗難や車上ねらいの実態や対策についてまとめてみました。なお、図2〜図6のデータは、いずれも「2005年度自動車盗難事故実態調査」(日本損害保険協会)に基づくものです。

自動車盗難の実態
 自動車盗難発生場所をみると、契約駐車場(屋外)が42%で最も多く、次いで自宅(屋外)の24.5%となっています(図2)。盗難の時間帯をみると、22時〜9時が約3分の2を占めています(図3)。したがって、夜間における屋外の契約駐車場の自動車が最も狙われやすいといえます。また、比率は小さいものの自宅(屋内)の場合でも盗難に遭っていますから、ガレージに保管してあるから大丈夫だとは言い切れません。さらに通勤先の駐車場でも盗難が発生している点にも注意する必要があります。
 なお、実態調査によれば、盗難の対象自動車はかつては高級乗用車が最も多かったのですが、最近はRV車が最も多くなっています。これは高級乗用車にはイモビライザの搭載が進み盗みにくくなったこと、RV車は海外での人気が高いことなどが要因とされています。
 
※イモビライザについて
イモビライザは、キーに埋め込まれたトランスポンダ(電子チップ)のIDコードを車両本体内で照合し、IDコードが一致すればエンジンが始動し、一致しなければエンジンが始動しないという装置です。したがって、複製したキーで車内に侵入してもエンジンを始動させることができませんから、盗難防止に非常に有効な装置だといわれています。




車上ねらいの実態
○カーナビの被害がトップ
 2005年度における車上ねらいの被害品をみると、カーナビが34.6%で最も多く、次いでオーディオとなっており、カーナビが約3分の1を占めています(図4)。カーナビが普及したことや高額品であることなとが狙われやすい要因とされています。
契約駐車場(屋外)より自宅(屋外)のほうが多い
 自動車盗難では契約駐車場(屋外)がトップでしたが、車上ねらいでは自宅(屋外)が最も多く30.1%を占めています(図5)。自宅だからといって安心はできないことを示しています。
○22時〜9時が多い
 発生時間帯をみると、自動車盗難と同じく、22時〜9時が多くなっていますが、9〜17時も約2割を占めていますから、日中といえども油断はできません(図6)。
 
自動車盗難や車上ねらいを防止するポイント
 盗難や車上ねらいに遭わないため、次の点を確実に実行してください。
短時間でも自動車から離れるときには、必ずエンジンキーを抜き、ドアをロックする。
窓を少しでも開けておくと、その隙間からねらわれるので、必ず全ての窓を完全に閉めておく。
スペアキーを車内に残して置いたり、バンパーの下などに隠さない。
車内に財布やカバン、電子機器などの貴重品を置いたままにしない。
路上駐車をしないことはもちろん、夜間に駐車するときは照明のない暗い駐車場は避け、できるだけ照明設備の整った明るくて見通しのよい駐車場を選ぶ。
 また、盗難を防止するためには、イモビライザなどの盗難防止装置を装着するのも大いに効果的です。さらに、自宅の場合でも、ガレージにシャッターを取り付けるなどして外から侵入されないようにしたり、自動車にシートをかぶせることも盗難防止に役立ちます。
 なお、万一盗難に遭った場合には、ただちに警察に通報してください。通報が早ければ早いほど発見される可能性も大きく、犯罪などへの利用を未然に防止することにもつながります。自動車盗難や車上ねらいによる被害は、決して他人事ではありません。明日は我が身と考えて、積極的に防衛手段を講じていきましょう。