安全運転のポイント

8月の安全運転のポイント

いい運転、ハートフル
平成18年8月


  8月になると、夏休みやお盆休暇を利用して行楽や帰省などの長距離走行を計画している人も多いでしょう。しかし、その一方で、毎年のように行楽時や帰省時の重大事故が報道されていることも忘れてはなりません。そこで今月は長距離走行の留意点についてまとめてみました。

余裕のある走行計画を立てる
 長距離走行では、まず、余裕のある走行計画を立てるということが基本になります。そのためには、特に次の点を考慮することが大切です。
@渋滞を予想して時間の余裕を十分にみる
特にお盆の時期は高速道路を中心にかなりの渋滞が予測されますから、渋滞による時間のロスを計算した走行計画を立てます。
Aこまめに休憩をとる
長時間の連続運転は疲労の原因となり、注意力や集中力の低下を招きますから、1〜2時間に1回、15分以上の休憩をとるようにします。高速道路の場合、サービスエリアが約50キロメートル毎、パーキングエリアが約15キロメートル毎に設置されていますから、あらかじめどこで休憩をとるかを決めておくのがよいでしょう。
なお、休憩時には、軽く体操をして身体をほぐす、スポーツドリンクなどで水分補給をする、トイレを済ませる、道路交通情報をチェックするなどを心がけましょう。
B眠気に襲われやすい時間帯の運転は避ける
一般に、午前4〜6時頃は最も眠気に襲われやすい時間帯だといわれていますから、深夜から明け方にかけての運転はできるだけ避けるような走行計画を立てるのが望ましいでしょう。
C帰りは行きよりも一層余裕のある走行計画を立てる
行きよりも帰りのほうが疲れが出やすいと考えられますから、帰りは行きよりも一層時間に余裕を持たせた計画を立てるようにします。
運転疲労を防止する
 長距離走行は疲れが蓄積されやすく、その結果、漫然運転や最悪の場合は居眠り運転につながります。
したがって、できるだけ疲れを防ぐ運転を心がける必要がありますが、そのためには、こまめに休憩をとるほか、特に次の点に留意しましょう。
スピードの出し過ぎや強引な追越しなどは、精神的な緊張を高め、疲労の原因となりますから、こうした無謀な運転を決してしないようにします。
イライラしたりカッカした状態での運転も疲労を早めますから、常にゆとりをもった運転を心がけます。
その他の留意点
出発前には必ず車両の点検を行い、燃料、タイヤ(空気圧や溝の摩耗、小石や釘等の異物の有無など)、エンジンオイルや冷却水の量などをチェックしておきます。
家族連れの場合には、子供には必ずチャイルドシートを着用させます。また、助手席の人はもちろんですが、衝突時の衝撃でシートベルトを着用していない後部座席の人が車外に放り出されるというケースが少なくありませんから、後部座席の人にも必ずシートベルトを着用させる必要があります。
子供の動きや、飲料の空き缶などに気をとられ、脇見運転にならないよう注意します。空き缶などは収納する場所をあらかじめ確保し、車内で転がったりしないようにしておきます。
車を降りるまで決して気を抜かないようにします。特に、帰りの場合、家が目前になった地点でホッとして気が緩み、思いがけない事故を起こすということもありますから、最後の最後まで緊張感を持って運転します。
 

−高速道路の安全走行−

 長距離走行では、高速道路を利用する機会が多いと考えられます。高速道路は信号機も交差点もなく大変走りやすい道路ですが、その反面、いったん事故が発生すると重大な人身事故につながります。そこで、高速道路における安全走行のポイントをもう一度確認しておきましょう。
 
<安全走行の基本>
規制速度を守る
 高速道路における普通自動車の法定最高速度は時速100キロですが、高速道路であればどこでもそうだというわけではなく、路線や区間によっては、時速80キロや60キロに速度が規制されているところもあります。また、雨天時などは速度規制が出されることがよくありますから、標識等で規制速度をよく確認し、それを必ず守る必要があります。
高速道路には、高速自動車国道と自動車専用道路がありますが、自動車専用道路の法定最高速度は、一般道路と同じ時速60キロですから、高速自動車国道と混同しないよう注意してください。
十分な車間距離をとる
 高速走行の場合は、前車が渋滞や事故などの事情によりちょっと減速しただけでも、たちまち車間距離が短くなりますから、車間距離を十分とる必要があります。車間距離の目安としては、時速を距離に換算した数字、例えば時速80キロであれば80メートルの車間距離が適切といわれています。
不要な進路変更をしない
 先を急ごうとして進路変更を繰り返す車も少なくありませんが、進路変更は後続車との衝突事故の原因となるだけでなく、ハンドル操作ミスによる事故の原因ともなりますから、不要な進路変更を控えましょう。また、追い越し車線をゆっくり走るのは大変危険です。追い越し車線は先を急ぐ車に空けて、走行車線を走るようにします。
わき見運転や漫然運転をしない
 昨年の高速道路における死亡事故を法令違反別でみると、最も多いのは脇見運転や漫然運転などによる前方不注視で、全体の約4割を占めています(図 警察庁資料より)。時速100キロでは1秒間に約28m、時速80キロでは1秒間に約22m進行しますから、不用意な脇見運転や漫然運転は禁物です。
眠気を感じたら直ちに休憩をとる
 眠気を感じたときに無理をして走行すると居眠り運転に陥りやすく大変危険ですから、直ちに最寄りのサービスエリアやパーキングエリアで休憩をとります。
夜間走行時は特に大型車に注意
 夜間の高速道路は照明が少なく暗い場所が多いうえに、トラックなどの大型車の通行量が多くなります。大型車の陰になると、視界をさえぎられ前方や後方の状況が分からなくなり大変危険ですから、大型車にはできるだけ近づかないようにします。特に集団となって走行している大型車のなかには入らないようにするとともに、万一大型車の間にはさまれた場合はできるだけ早く離れるようにします。
渋滞のときは早めに合図
 渋滞場所に近づいたら早めにハザードランプを点灯させ後続車に知らせるようにします。
一般道路に出たときはスピードをチェックする
 高速走行を続けた後で一般道路に出たときには高速走行の感覚が残っていて、ついスピードを出しがちになりますから、高速道路から一般道路に出たときは、スピードメーターで必ず速度をチェックします。