安全運転のポイント

5月の安全運転のポイント

いい運転、ハートフル
平成18年5月


 「放置車両の取締り等の事務の一部を民間に委託する」、「放置車両の使用者責任を強化する」などを柱とした放置駐車違反に対する新制度が平成18年6月1日より施行されます。そこで今回は、新制度の内容を紹介します。

駐車監視員による放置車両(放置駐車違反)の確認および標章の取付け
 放置車両の確認および標章の取付けが、公安委員会の登録を受けた法人に委託されます。これが民間委託であり、委託を受けた法人を「放置車両確認機関」といいます。放置車両確認機関は、駐車監視員資格者証の交付を受けた者のなかから駐車監視員を選任して、放置車両の確認および標章の取付けを行います。
 駐車監視員は制服の着用などにより駐車監視員であることを表示するとともに、定められた記章を着用することが義務づけられています。
放置車両とは、「違法駐車のうちで、運転者が車を離れて直ちに運転できない状態にあるもの」をいいます。したがって、駐車禁止場所等に違法駐車をし、運転者が配達や商談、買物などで車を離れて、直ちに車を運転することができない状態になれば「放置車両」となります。

 

駐車時間の長短にかかわらず取締り
 放置車両であることが確認できた場合は、駐車時間の長短にかかわらず、直ちにカメラなどで当該放置車両の写真が撮られるとともに、違反の確認標章が取り付けられ、警察署に連絡されます。したがって、ほんの数分の放置駐車でも取締りの対象となります。
原付バイクの放置駐車違反も使用者責任の対象
 自動車だけでなく、原付バイクも取締りの対象となり、運転者が反則金を納付しない場合には、使用者責任が追求されます。また、時間制限駐車区間における時間超過の駐車車両についても、運転者が車を離れて直ちに運転することのできない状態にある場合は放置車両となり、取締りの対象となります。
重点取締り地域の公表
 地域住民の意見や要望を踏まえて、駐車監視員が重点的に活動する場所や時間帯を定めた「駐車監視員活動ガイドライン」が、警察署の掲示板やホームページ等で公表されることになっています。
車両の使用者の責任
 放置駐車違反をした運転者が出頭しないなどにより、運転者が判明せず反則金が納付されない場合には、放置車両の使用者に責任が科せられ、「放置違反金」の納付が命じられます。
使用者とは、「車両の使用の権限を有し、その運行を支配し管理する者」をいいます。したがって、社有車の場合の使用者は、会社ということになります。そこで、運転者が反則金を納付しなかった場合には、使用者である会社に対して「放置違反金」の納付が命じられることになります。
放置違反金の金額
車両の種類 駐停車禁止場所等 駐車禁止場所等 時間制限駐車区間
大型車等 25,000円 21,000円 12,000円
普通自動車等 18,000円 15,000円 10,000円
自動二輪・原付車等 10,000円  9,000円  6,000円
放置違反金を滞納すると車検が受けられない
 車両の使用者が放置違反金を納付せず滞納した場合には、公安委員会より督促状が送達されます。こうした督促を受けた場合には、放置違反金を納付したという証明がないかぎり、車検が受けられません。
放置違反金の納付命令を繰り返し受けると車両の使用制限処分
 放置違反金の納付命令を受けた使用者が、過去6か月以内に同じ車について納付命令を受けたことがある場合には、一定の基準に基づいて、3か月を超えない範囲で車両の使用が禁止されます。
使用者責任に関する処分の流れ
使用者責任に関する処分の流れを示すと、次のようになります。
@ 運転者が放置駐車違反をする。
A 放置車両に対して、違反標章が取り付けられる。
B 運転者が出頭しないなどで運転者が判明しない場合には、車両の使用者に対して違反金納付命令が出される。
 
標章が取り付けられた日から30日以内に運転者が反則金を納付した場合等は除く。
納付命令の前に使用者に対して弁明の機会が与えられる。
納付命令を繰り返し受けていると、車両の使用制限処分となる。
C 納付期限を過ぎても放置違反金を納付しない場合は、督促状が出される。
D 督促の期限を過ぎても納付しない場合は、地方税の滞納処分の例に基づいて徴収(差押等)される。
 
放置違反金納付の証明がない場合は、車検が受けられない。
●放置駐車違反に対する処分の仕組み
 

 駐車監視員制度により、施行後は違法駐車に対する取締りが一段と強化されることが予想されます。駐車するときは、駐車禁止場所でないかどうかを十分に確認するとともに、駐車禁止場所であるときは駐車場を確保するなどの措置をとり、違法駐車はしないよう徹底しましょう。