安全運転のポイント

2月の安全運転のポイント

いい運転、ハートフル
平成18年2月


近年、地球温暖化や大気汚染などの環境悪化が重大な社会問題となっており、一人ひとりが環境保全を真剣に考えなければならない時代にきています。なかでも、地球温暖化や大気汚染の大きな要因となっている排気ガスの削減が急務の課題となっており、ドライバーの皆さんには、燃料消費を抑えた運転、すなわち「エコドライブ」を積極的に実践していくことが求められています。
エコドライブは排気ガスの量を削減するだけでなく、穏やかな発進や一定速度の走行を心がけることにより交通事故の防止にもつながります。そこで今回は、エコドライブの方法についてまとめてみました。


発進時
発進時は燃料消費が多くなりますが、特に市街地走行では信号や渋滞などにより発進・停止の頻度が高いため、発進時の燃料消費量が全体の約4 割を占めることもあります(図1 )。
したがって、発進時の燃料消費をいかに抑えるかが、エコドライブの重要なポイントの一つとなります。
発進時の燃料消費を抑えるために、次の点を心がけましょう。
急発進はしない
急発進は燃費を悪くするだけでなく、事故にもつながる危険な行為ですから、絶対に避けましょう。
アクセルは徐々に踏み込む
AT 車の場合は、クリープ現象(ブレーキから足を離すと車が低速で動き出す現象)を利用して発進し、徐々にアクセルを踏み込んでいきます。


図1

 
走行時
走行中に加速や減速を繰り返すと燃料消費量が増えますから、できるだけ一定の速度で走行することが大切です。そのためには次の点に心がけましょう。
原則として追い越しはしない
追い越しの繰り返しは加速・減速の典型であり、燃料のムダ遣いとなるばかりでなく、事故につながる非常に危険な行為でもあります。やむを得ない場合以外は追い越しはやめましょう。また、むやみに進路変更をするのも加速・減速の繰り返しにつながりますから、不要不急の進路変更もやめましょう。
車間距離を十分にとる
車間距離が短いと前車の動きに左右されて、それだけ加速や減速の回数が増えると考えられますから、車間距離を十分にとって走行します。また、走行中は前車だけでなくその前の状況にも目を配り、交通の流れを予測するようにします。それによって急な加速や減速を未然に防止することができます。
なお、上り坂の場合、坂の途中で速度が落ちてからアクセルを強く踏むと燃費が悪化しますから、上り坂の手前の平坦なところで少し加速して、坂の途中での急激なアクセルの踏み込みを防ぐようにしましょう。

 
停車時
エコドライブの基本のひとつに「アイドリング・ストップ」があります。これはアイドリングを一切しないということではなく、不必要なアイドリングをしないということです。アイドリング中も当然燃料は消費されますから、アイドリングの時間が長ければそれだけ燃料消費量も排気ガスも増えます。したがって、停車時には「アイドリング・ストップ」を励行することが大切です。そのためには次の点を心がけましょう。
停車時はこまめにエンジンを切る
荷物を届けるために停車したり、コンビニエンスストアなどでちょっとした買物をするために停車するとき、人を待つために停車しているときなどは、エンジンをかけっ放しにしておくのではなく、必ず切るようにします。
空ぶかしはしない
空ぶかしは燃料のムダ遣いであり、騒音以外のなにものでもありませんから、やめるようにします。
停止時も状況によってはアイドリング・ストップ
例えば踏切で停止するときは、発進のタイミングがわかりやすいので、停止中はエンジンを切っておくのもよいでしょう。

 
その他の留意点
車の点検整備を励行する
車の整備不良も燃費悪化の原因となります。例えば、タイヤの空気圧が低いと燃費が悪くなります。図2は、適正な空気圧の約4分の1にあたる50kpaの空気圧不足の場合を示したものですが、市街地走行よりも高速道路走行のほうがより大きな燃費の悪化を招いています。また、エンジンオイルの劣化なども燃費を悪化させますから、走行前の点検はもちろん、定期点検整備も確実に実施して常に車を万全な状態に維持する必要があります。
なお、高速道路を走行するときは、事前にガソリンスタンドなどで空気圧をチェックしてもらうのもよいでしょう。
不必要な荷物を積み込まない
車が重くなればなるほど燃料消費量は増えますから、不必要な荷物や余計な物は車内に積み込まないようにします。
そのほか車のエアコンの使用は控えめにする、使用しない時期にはルーフキャリアなどの装着品を外す、徒歩や自転車で行けるところやバスや列車が利用できる場合は車の使用を控える、このような日常生活におけるちょっとした心がけもエコドライブの大切なポイントです。
エコドライブは環境保全と事故防止につながります。できるところから早速始めましょう。


図2