安全運転のポイント

8月の安全運転のポイント

いい運転、ハートフル
平成17年8月


 交差点もなく歩行者や自転車も通行しない高速道路(高速自動車国道と自動車専用道路をいいます)は、一般道路に比べると大変走りやすい道路です。
 しかし、人身事故1000件あたりの死亡事故発生件数をみると、高速道路は19.7件であり、全体の7.4件に比べると、約2.5倍も高くなっていま す。つまり、高速道路は、いったん事故が発生すれば死亡事故などの重大事故につながりやすいといえます。8月は夏休みを利用したレジャードライブや帰省な どで、高速道路を利用する機会も多いと思われます。
 そこで、今回は高速道路の交通ルールを中心に安全走行に必要な基本的知識をクイズ形式でまとめてみました。

T 次の高速道路の交通ルール等に関する設問について、適切と思われるものには○、そうでないものには×をつけてください。
問1 標識や標示で速度が指定されていない場合の高速自動車国道の本線車道における普通乗用車の最高速度は、時速100キロである。
問2 標識や標示で速度が指定されていない場合の自動車専用道路における普通乗用車の最高速度は、時速60キロである。
問3 図1は本線への流入方法を示しているが、Aのほうが適切である。
問4 地図を見るためであれば、路肩に駐車してもよい。
問5 路線バスの停留所は、運行時間外であれば路線バス以外の車も駐停車できる。
問6 高速自動車国道では、ロープによる故障車の牽引はできない。
問7 高速道路の本線車道では、転回したり後退することはできない。
問8 渋滞時において前方のインターチェンジから流出する場合には、路肩を走行して流出してもよい。
 
U 次の各設問の(@)〜(E)にあてはまると思う語句を下欄から選んで、その記号を記入してください。
問1 図2のA(レーンマークの長さ)は約(@  )メートル、B(レーンマークの間隔)は約(A  )メートルである。
問2 非常電話は、トンネル内を除いて通常は(B  )キロメートルごとに設置されている。
問3 高速道路での車間距離は、時速100キロであれば(C  )メートル以上とるのが安全だといわれている。
問4 タイヤの空気圧が低い状態で高速走行すると、(D  )が発生しやすい。
問5 高速道路は視界が開けていることもあって、実際よりも速度を(E  )感じやすい。
(ア) (イ) (ウ) (エ) (オ) 10
(カ) 12 (キ) 50 (ク) 80 (ケ) 100
(コ) ハイドロプレーニング現象 (サ) スタンディングウェーブ現象
(シ) 速く (セ) 遅く

Tの正解と解説
以下の文中で、法は「道路交通法」、施行令は「道路交通法施行令」、施行規則は「道路交通法施行規則」を示しています。
問1  標識や標示で速度が指定されていない高速自動車国道の本線車道の最高速度は、普通自動車(三輪のもの等を除く)や大型乗用自動車、大型自動二輪車、普通自動二輪車(125ccを超えるもの)は時速100キロ、それ以外は時速80キロです(施行令第27条)。
問2   高速自動車国道の最高速度については、上記のように法で定められていますが、自動車専用道路については特に定めはありません。したがって、標識や標示で速 度が指定されていない自動車専用道路の最高速度は一般道路と同じ(施行令第11条)であり、普通乗用車の最高速度は時速60キロです。高速自動車国道と自 動車専用道路では最高速度が異なりますから注意しましょう。
問3   本線への流入については、「自動車は、本線車道に入ろうとする場合において、加速車線が設けられているときは、その加速車線を通行しなければならない」と 定められており(法第75条の7)、Aのように加速車線をいっぱいに利用し十分に加速してから流入するようにします。Bのように加速車線の途中から流入す るのは大変危険です。
問4 × 高速道路では、危険防止のための一時停止や故障等のやむを得ない事情で路肩や路側帯に駐停車する場合などを除いて、駐車も停車も禁止されています(法第75条の8)。
問5 × 路線バスの停留所は、運行時間外であっても路線バス以外の車は駐車も停車もできません(法第75条の8)。
問6  ロープ等により故障車を牽引する場合の最高速度は、故障車の総重量等により異なりますが、最高でも時速40ロです(施行令第12条)。したがって、高速自動車国道の最低速度である時速50キロ(施行令第27条の3)に達しないため、高速自動車国道は走行できません。
問7  「自動車は、本線車道においては、横断し、転回し、又は後退してはならない」と定められています(法第75条の5)。したがって、流出しようとしたインターチェンジをうっかり通過してしまった場合でも、転回や後退をしてはいけません。
問8 × 自動車が路肩や路側帯を通行することは禁止されています(法第17条・車両制限令第9条)。したがって、渋滞時に前方のインターチェンジから流出する場合であっても路肩を走行してはいけません。
 
Uの正解と解説
問1 @−エ A−カ (レーンマークの長さは約8メートル、レーンマークの間隔は約12メートル、合わせて約20メートルです。車間距離を測るときの目安にしましょう。)
問2 B−ア (非常電話は、トンネル内を除いて通常は1キロメートルごとに設置されており、受話器をとると所管する道路公団等の交通管制室につながります。なお、近いからといって、本線車道を横切り反対車線の非常電話を利用するのは大変危険ですから、絶対にしてはいけません。)
問3 C−ケ (高速道路での車間距離は、走行速度(時速)を距離(メートル)に読み替えた数字、例えば時速100キロであれば100メートル以上が安全のための目安だといわれています。上記のレーンマークや車間距離確認区間を利用して、適正な車間距離を保持して走行しましょう。)
問4 D−サ  (タイヤの空気圧が低い状態で高速走行すると、タイヤが波状に変形してしまいます。これを「スタンディングウェーブ現象」といい、この現象が発生すると バーストなどを起こしやすくなり、事故の大きな原因となります。高速道路の走行前には、必ず燃料や冷却水、エンジンオイルなどを点検するとともに(法第 75条の10)、タイヤの空気圧が適正か、傷や亀裂がないかもチェックし、車を万全な状態にして出発しましょう。)
問5 E−セ (高速道路は視界が開けていることもあって、実際よりも速度を遅く感じやすく、速度を出し過ぎてしまう傾向がありますから、ときどきスピードメーターで速度をチェックすることが大切です。)
 
高 速道路は走りやすい道路ですが、ちょっとした油断が命取りになる道路でもあります。決して不用意な脇見をしたり、速度を出し過ぎたりせず、車間距離も十分 とって走行するとともに、少なくとも2時間に1回は15分以上の休憩をとるなどして、余裕をもった運転を心がけましょう。