安全運転のポイント

10月の安全運転のポイント

いい運転、ハートフル
平成16年10月


 平成16年6月9日に公布された改正道路交通法のうち、右の事項については、平成16年11月1日より施行となります。
 そこで、ドライバーの皆さんにとって最も関心が高いと思われる「走行中の携帯電話使用等への罰則強化」について少し詳しくご紹介します。
@ 走行中の携帯電話使用等への罰則強化
A 「共同危険行為」や「騒音運転」等への罰則強化
B 飲酒運転の「呼気検査」拒否への罰則強化

道路交通法の規定
 走行中の携帯電話等の使用禁止については、道路交通法第71条(運転者の遵守事項)第5号の5に定められており、それを要約すると、次のようになります。
 「自動車又は原動機付自転車を運転する場合は、停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。これを「無線通話装置」という)を通話(傷病者の救護等の緊急やむを得ずに行うものを除く)のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置に表示された画像を注視しないこと」
 「無線通話装置」とは、携帯電話や自動車電話、トランシーバーなどが該当します。ただし、「その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る」とされていますから、手で保持せずに通話するハンズフリーの携帯電話や相手の声がスピーカーから流れてくるタクシー無線等は除外されます。
 「画像表示用装置」とは、カーナビゲーションや自動車テレビ、携帯電話のディスプレイ部分などが該当します。
罰則の対象となる行為と罰則等の内容
 罰則の対象者は、次の2つとなります。
@ 「携帯電話使用等(手で保持)」
「携帯電話等を通話のために使用し、又は自動車若しくは原動機付自転車に持ち込まれた画像表示用装置を手で保持してこれに表示された画像を注視した者(第120条第1項第11号)
 
 今回の改正で新たに付け加えられました。走行中に携帯電話等を手に持って、「通話する」、「メールの送受信をする」、「ディスプレイ部分を注視する」などが該当します。これらの行為に対する罰則は、「5万円以下の罰金」ですが、交通反則通告制度が適用され、反則金を支払うことにより罰金は免除されます。(違反点数は1点)
カーナビゲーションや自動車テレビは手で保持するものではないので、注視しただけでは罰則の対象とはなりません。
A 「携帯電話使用等(交通の危険)」
「携帯電話等を通話のために使用し、又は自動車若しくは原動機付自転車に持ち込まれた画像表示装置を注視することによって、道路における交通の危険を生じさせた者」(第119条第1項第9号3)
 従来(平成11年改正)からあった規定で、携帯電話等を使用したり、カーナビゲーションや携帯電話のディスプレイ部分を注視することによって交通の危険(例えば交通事故)を起こした場合が該当します。
 罰則については、「3か月以下の懲役または5万円以下の罰金」ですが、これについても交通反則通告制度が適用され、反則金を支払うことにより、懲役または罰金は免除されます。ただし、事故に至った場合には交通反則通告制度の適用除外※となります。(違反点数は2点)※後述参照
 このように、運転中の携帯電話による通話や画像表示装置の注視に対する規制が強化されましたが、これらの行為は、安全運転に必要な交通の危険を見る(認知する)ことを阻害するものです。携帯電話は必要なものとしても、「運転中は携帯電話はドライブモードにする」、「通話する時は必ず車を停車する」、を安全運転の基本動作として実行しましょう。
 
−交通反則通告制度−
昭和42年の道路交通法改正で制定されたもの。その趣旨は交通違反事件のうち、強度の違法性を持たない種類の違反を「反則行為」といい、反則行為をした運転者に対しては、刑事裁判として起訴する以前に反則金通告を行い、それに従って反則金を納付した者については刑事裁判をしないという制度で、一般に「反則金制度」と呼ばれています。
この制度の対象となる「反則行為」の範囲は、道路交通法の別表に定められています。ただし、反則行為をした者が、次の場合は、この制度が適用されず、罰則により処罰(刑事罰)されます。
@ 無免許・無資格運転をした者。
A 酒酔い運転・酒気帯び運転、麻薬等運転をしていた者。
B 交通事故を起こした者。
携帯電話を手に持って通話し(反則行為)交通の危険を生じさせた者のうち、交通事故を起こした人は、上記Bにあたり、この制度の対象とはならず、刑事罰が課せられることになります。
 

平成16年11月1日から施行される主な改正内容

携帯電話使用等への罰則強化

携帯電話使用等(保持)

携帯電話使用等(交通の危険)

罰 則 5万円以下の罰金
反則金 大型自動車  7000円
普通自動車  6000円
自動二輪車  6000円
原付自転車  5000円
違反点数 1点
罰 則 3か月以下の懲役または5万円以下の罰金
反則金 (交通事故には至らなかった場合)
大型自動車 12000円
普通自動車  9000円
自動二輪車  7000円
原付自転車  6000円
違反点数 2点
 

騒音運転
および消音器不備

罰則 5万円以下の罰金
反則金
 大型自動車 7000円
 普通自動車 6000円
 自動二輪車 6000円
 原付自転車 5000円
違反点数 2点

集団暴走行為
(共同危険行為)

罰則 2年以下の懲役または50万円以下の罰金
反則金 適用されない
違反点数 25点

 

飲酒運転の
「呼気検査」拒否

罰則 30万円以下の罰金
反則金 適用されない
違反点数 なし