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警察庁がまとめた今年の上半期(平成16年1月〜6月)の交通事故統計によると、死者数は前年同期より減少しています。ただ、状態別でみると、「自動車乗車中」や「自転車乗用中」「歩行中」の死者数は減少しているのに対して、「自動二輪の運転中」と「原付バイク乗車中」の死者数は増加しています。自動二輪や原付バイク(以下、合わせて「二輪車」といいます。)との衝突は重大な人身事故につながります。そのため、衝突そのものを防がなければなりません。 二輪車との衝突を防ぐためには、ドライバーはいわゆる防衛運転(危険を予測し適切な対応を早めに取る)を率先して実践することが求められます。そのため、予測すべき二輪車の危険性や実際の交通の場での危険パターンを知っておくことが必要です。 そこで今月は、二輪車の危険性や二輪車と四輪車の典型的な事故パターンと防止策についてまとめてみました。 |
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1:右折時の衝突 |
2:左折時の巻き込み |
交差点での右折四輪車と直進二輪車が衝突する事故パターンです。この事故の大半は、ドライバーが二輪車の速度を実際よりも遅く判断したり、二輪車との距離を実際よりも遠くに判断したりして、強引に右折するために起こっています。(図2) 原付バイクの場合、法定最高速度は時速30キロですが、交差点に接近している場合は、早く交差点を通過しようとして速度を上げるケースが多く、予想以上にスピードが出ています。したがって、二輪車の速度を遅いと判断するのは非常に危険です。二輪車が接近しているときは、無理をせず、その通過を待ってから右折することが、二輪車との衝突を防止する最も確実な方法です。 |
左折時に左側を走行してくる二輪車と側面衝突する事故パターンです。これはドライバーが左側方の二輪車を確認しなかったか、あるいはミラーの死角に入っていて見えなかったために起こるケースが多いといえます。 |
3:進路変更した二輪車との衝突 |
4:サンキュー事故 |
道路の左端を走行していた二輪車が駐車車両を避けるために右側に進路変更して衝突するという事故パターンで、後方を確認せずに進路変更する二輪車にも大きな責任がありますが、二輪車の進路変更を予測できなかったドライバーにも問題があります。(図4) 前方左端を二輪車が走行しているときは、さらにその前方にまで目を向けるようにします。そうすれば駐車車両などの障害物により、二輪車が進路変更するかどうかの予測がつきます。進路変更が予測されるときは二輪車の動きに注意するとともに、車間距離を十分にとって接近しないようにする必要があります。 |
対向車に道を譲られて右折するとき、対向車の向こう側から直進してきた二輪車と衝突するという事故パターンで、道を譲ってくれた対向車に「サンキュー」と言って右折することから、「サンキュー事故」といわれています。(図5) 道を譲られると、早く右折しないと譲ってくれた対向車に悪いと考えて一気に右折していくケースが多いのですが、これが事故に結びつきます。対向車が道を譲ってくれたといっても、安全まで保証してくれたわけではありません。この場合、譲ってくれた車の陰から「二輪車が出てくる」と考えて徐行して進み、二輪車がいないかどうかを確認してから右折するようにします。 |