安全運転のポイント

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 日本の高速道路は山間部を走る区間が多く、このため長大トンネルが多いのが特徴です。こうした長大トンネルは密室空間であり、事故や火災がいったん発生すると二次災害発生の可能性が高くなります。例えば、今から22年前(1979年)の7月11日、東名高速道路下り線・日本坂トンネルの火災事故(トラック4台、乗用車2台の追突事故が発端となり、死者7人、負傷者3人、焼失車両173台、トンネル復旧にも長時間を要したという世界でも有数の大惨事)を思い出す人も多いのではないでしょうか。このような大惨事を教訓とし、再び繰り返さないためにも、今月は高速道路のトンネル走行のポイントや緊急時の対処方法などについてまとめてみました。
トンネル入り口手前−情報板に注意する
   トンネルの入口手前に信号や情報板が設置されているときは、その指示に従います。「進入禁止」の表示がされている場合は、トンネル内で事故などが発生していることがありますので、後続車にハザードランプで合図しながら停車しましょう。
入口付近−追突に注意する
   トンネルの入口の手前は、多くの車が速度を落とす地点ですので、追突事故に注意が必要です。しっかり前を見ましょう。
トンネル内−必ずライトを点灯し、ラジオを聞く
   高速道路のトンネル内は、照明設備が整い明るいため、ライトを点灯せずに走行するドライバーがいるようです。しかし、無灯火の車は他車から非常に見えにくく、距離感やスピード感が判断しにくくなっています。トンネル内では、自分の視界を確保するだけでなく、他車から見落とされないようにするためにも昼間でもヘッドライトを点灯します。また、ラジオもつけましょう。トンネル内での情報や注意、指導が放送されています。
トンネル内では車線変更しない
 トンネル内は他車の動きが判断しにくいうえ、心理的に圧迫感があるため不安になるドライバーも多いようです。トンネル内での無理な追越しや割り込みなどは、重大事故につながる恐れがありますので、絶対にしないようにします。また、トンネル内での車線変更は、後続車から追突される恐れがあります。車線変更が禁止されていないトンネルであっても車線変更はしないようにします。
出口付近−追突・横風に注意する
 出口付近は「さあ出口だ」「早くトンネルを出よう」という思いから速度を上げがちになります。しかし、全車がそうするとは限りませんので追突に注意しましょう。また、出口では、強い横風に遭うことがあります。あわてずにハンドルをしっかり握り、直進するように注意しましょう。

 

国内の最大トンネル・ベスト5

@ 関越トンネル(11055m・関越自動車道)
飛騨トンネル(10712m・東海北陸自動車道・*建設中)
A 東京湾アクアライン海底トンネル(9610m・国道409号線)
B 恵那山トンネル(8649m・中央自動車道)
C 新神戸トンネル(7175m・市道生田川箕谷線)
D 雁坂トンネル(6625m・国道140号線)
車の故障時などの措置
   トンネル内での故障や事故は、後続車が追突するなど、二次災害発生の危険があります。落ち着いて速やかに次の措置をとります。
後続車に注意を促すため、ハザードランプを点滅させる(可能であれば、駐車灯、尾灯、前照灯などすべてを点灯させる)。
出来るだけ車をトンネルの外や非常駐車帯へ運ぶ。
停止表示器材を車の後方100m以上のところに置く。
非常電話で通報する
   最寄りの非常電話を利用して故障や事故の通報をします。非常電話は、高速道路のトンネル内は200m間隔で設置されていますので、慌てずに探します。非常電話の受話器をとると交通管制室につながりますので、落ち着いて次のことを伝えます。
「故障」か「事故」かの区別
故障や事故の内容
非常電話ボックスの番号
(故障の場合)
故障の状況(パンクや燃料切れなど)
車の年式、車種など
(事故の場合)
死傷者の数
負傷者の負傷の状況や負傷の程度
破損した車の台数
道路設備の損壊の状況など
トンネル内で火災が発生したら・・・
   火災など万一の事態に備え、トンネル内にはいろいろな防災施設が設置されています(下図参照)。また、カーラジオで緊急放送を聞くこともできます。火災が発生した場合は、慌てず、落ち着いて以下の措置をとります。
押しボタン式通報装置(トンネル内は50m間隔で設置)か、非常電話で通報する。押しボタン式通報装置はランプがつくまでボタンを押します。
消火器(トンネル内は50m間隔で2本設置)で初期消火に努める。
消火栓(トンネル内は50m間隔で設置)が設置されているトンネルでは、消火栓を利用して消火に努める。ただし炎上しているガソリンなどには使用しない。
避難するときは、風上の方向へ逃げる。