安全運転のポイント

光って見せて事故防止〜反射材を事故防止に活かそう〜
 ドライバーの皆さんは、住宅街などの暗い夜道を走行中、黒っぽい服装の歩行者を見落としそうになりヒヤリとした経験はありませんか? それもそのはず、明るい色の服装では約38メートルの距離から見えるのに対し、黒っぽい服装の歩行者は、約26メートルの距離まで接近しないと見えないというデータがあります。歩行者の交通事故の約70%は、夜間に発生していますが、事故防止のためにはドライバーがより注意深い運転を心がけるとともに歩行者自らもドライバーに早めに発見されるよう視認性を高めるなどの工夫をしたいものです。そこで、今月は、事故防止に効果があり、活用したい「反射材」についてまとめてみました。

反射材のしくみ
 反射材製品は、道路標識をはじめ、センターラインや道路工事の人の衣服、自転車など、最近では至るところで使用され、事故防止に活用されています。一般の物に当たった光は、あらゆる方向に拡散して反射(乱反射)するのに対し、反射材での反射は「再帰性反射」と言われ、光が入ってきた方向と同じ向きに帰るという特徴があります。このため、夜間、道路標識などにヘッドライトの光が当たると、光はヘッドライトにまっすぐ戻るように反射し、ドライバーにその存在がはっきり見えるというわけです。
反射材は、光が当たることにより反射する
 反射材は、そろ自身のみでは光りません。他から光が当たることにより、光って見えるという性質なため、たとえば衣服でも抵抗なく着用することができます。反射材が使用された衣服にヘッドライトの光が反射すると、約200メートル手前からドライバーに自分の存在を認めさせることができます。歩行者自らが夜間の安全を確保する手段として、反射材は有効です。

 

事業用自動車の事故防止に使われている
 わが国では大型トラックの後部に反射板を装着し追突事故防止に役立てているほか、最近では反射シートを車両の側面にマーキングし、「予防安全」の観点から視認性を高める工夫がされています。ある物流企業では、反射シートを車両に施し、アンケート結果をまとめていますが、回答したドライバーの全員が「夜間走行で後方、側方からの衝突防止に役立つ」と感じたようです。また、洗車時にはがれたり、割れたりした反射シートはなく、耐久性も問題ありませんでした。
 なお、アメリカでは1993年から大型車の反射シートの貼り付けを義務化しています。反射シートを装着したトラックやトレーラに対する衝突事故が約18%減少したという報告もあります。

 

反射材製品はオーダーメイドが多い
 歩行者や自転車などに向けた反射材製品には、ジャンパーなどの衣類をはじめ、自転車に貼付するステッカー、マスコットなどのタッグ、靴の裏やカバン、帽子、傘などに付けるワッペン・シートなど、いわゆる交通安全グッズがあります。ただこれらは交通安全関係団体などで作られたものが多く、市販のものはまだ多くないようです。
 また、全国反射材普及促進協議会の認定マーク(上図)の付いたものは品質の保証がされています。
 反射材を使った製品はオーダーメイドが基本です。メーカーに企業や団体などでとりまとめてオーダーすることによって廉価に購入することができます。
(資料については、住友スリーエム株式会社のご協力を得ました)

 

 

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