安全運転のポイント

10月の安全運転のポイント

いい運転、ハートフル
平成12年10月


 「エコドライブ(eco−drive)」は、環境への悪影響(二酸化炭素(CO2)などの排出)を低減させる運転法で、地球温暖化などのいわゆる環境問題対策のひとつとしてドライバーに提唱されているものです。今、この「エコドライブ」が効果ある事故防止策であると、クローズアップされています。近時、環境対策として「エコドライブ」を採り入れる企業が増加してきており、それらの企業の実践を通じ、エコドライブ活動を続けることは「環境にやさしい」だけでなく「車の燃費向上」「交通安全」に直結する、いわば一石三鳥の運転法であることがはっきりしてきたからです。事故防止のためにも、そして次世代に美しい環境を残すためにも、ドライバーの皆さんは、ぜひ「エコドライブ」を実践しましょう。

1.不必要なアイドリングを慎む
 不必要なアイドリングを慎む「アイドリングストップ」を実践することで、燃料を節約することができます。たとえば、乗用車では約10分間アイドリングをすると130ccの燃料が無駄になります。コンビニなどで短時間の買い物をするときでも、エンジンをこまめに切り、かけっぱなしに注意します。
2.経済的な速度で走行する
 交通の状況にもよりますが、一般道では速度40km程度、高速道路では時速80km程度の一定の速度で走り続けるのが燃費の向上につながります。ディーゼル貨物車の場合、高速道路走行時に時速80kmから100kmに速度を上げて走行すると、約30%燃費が悪化する例もあることから、経済的な速度で走行します。
3.点検整備を行い、タイヤの空気圧をチェック
 皆さんは、日常点検を適切な時期に実施していますか? 点検整備をきちんと行うことは、良好な燃費状態の維持や窒素酸化物などの排出ガス抑制につながります。また、適正なタイヤの空気圧よりも0.5気圧少ない状態で50km走行すると、乗用車でガソリン150ccが無駄になります。タイヤの空気圧などは定期的に点検する習慣をつけましょう。
4.無駄な荷物を積んで走行しない
 車のエンジンは、荷物の重さに敏感です。JAF MATE 誌が行ったテストでは、1人乗車と比べて4人乗車プラス荷物60kgの燃費では、100km当たり約1リットル余計にガソリンを消費しました。また、10キロの不要な荷物を積んで50km走行すると乗用車で約15ccの燃料が無駄になるというデータもあります。
5.空ぶかしをしない
 始動直後に暖気のためにエンジンを空ぶかしするのは、逆効果です。空ぶかしを10回すると、乗用車でガソリン60ccが無駄になり、大型ディーゼル車の場合は、100〜170ccもの燃料が無駄になります。空ぶかしする癖のあるドライバーは、気をつけたいものです。
6.「急」のつく運転をしない
 急発進、急加速、急ブレーキなどの「急」のつく運転は、危険なばかりではなく、ガソリンの無駄にもなります。たとえば乗用車では、急発進を10回繰り返すとガソリン170cc、急加速を10回繰り返すとガソリン110ccが無駄になります。走行中は車間距離を多めにとり、やむを得ない場合以外は、「急」のつく運転操作をしないように心がけます。
7.シフトアップを早めにする
 車は、基本的には上のギアで走行するほど、燃費がよくなります。AT車の場合はギアを自分で選ぶことはできませんが、マニュアル車の場合は無理のない範囲でシフトアップを早めに行い、燃料の無駄を防ぎます。


 

8.違法駐車をしない
 違法駐車は、路上に死角を作り出して危険なばかりではなく、交通渋滞発生の原因にもなります。車の平均速度が時速40kmから時速20kmに落ちると、燃費は約40〜50%悪化すると言われています。止まったままでアイドリングすると燃費にも悪影響を与えます。
9.エアコンの使用は控えめにする
 エアコンを使用すると、エンジンの回転数が高くなるため、その結果、燃料の使用量が増加します。JAF MATE 誌のテストによると、エアコンがオンとオフの場合で、オフに比べてオンのときには、1時間で約700ccのガソリンを余計に消費しています。エアコンは過度に使用せず適正な温度に調節することが大切です。
10.公共交通機関の利用を心がける
 車の使用を減らしていくことも今後は避けては通れない問題です。交通機関が一人の人を1km運ぶ場合に排出する二酸化炭素の量は、鉄道を1とすると、自家用乗用車は9.5、路線バスは4となります。自動車利用者は、可能な限りバスや電車などの公共交通機関を利用するとともに、マイカー利用者はできる限り相乗りで台数を減らすなどの工夫をしたいものです。

 

 

安全運転知識ワンポイントテスト

次の1.〜3.の問いについて、正しいものには○、誤りには×をつけて下さい。
1. 車体が流線型で軽い車の方が、空気の抵抗が少ないため、より少ない燃料で走行できる。
2. 二酸化炭素(CO2)の排出は、ディーゼルエンジンよりもガソリンエンジンのほうが少ない。

3.

日本から排出されるCO2の約50%は、自動車からのものである。
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