安全運転のポイント

月の安全運転のポイント

いい運転、ハートフル
平成12年9月


 秋の気配が近づいてきました。おりしも今月は「秋の全国交通安全運動」(21日〜30日まで、重点目標は「高齢者の交通事故防止」と「チャイルドシートとシートベルトの着用の徹底」)が実施されます。交通ルールの遵守と正しい交通マナーの実践をお願いします。
 ところで、交通マナーといえば「思いやり、あるいは他者の安全へ配慮」した運転の実践が強く求められています。とくに死傷者の多い高齢者や子どもに対して安全に配慮しなければなりません。そこで今月はその必要性をミニ・データからまとめてみました。

高齢者の歩行速度は思いのほか遅い
 高齢者の場合、歩行中に事故が多く、なかでも「横断中」の事故が約半数を占めます。事故原因は、ドライバーの見落としや発見の遅れなどですが、その陰には、高齢者の歩行速度も関係しているようです。
 高齢者が横断歩道を横断するのにどのくらいの時間がかかるのかを調べたデータによると、幅員25.6メートルの片側3車線の道路を9歳の小学生は19秒で横断を終えたのに対し、高齢者(76歳)は、30秒もかかっています。(ちなみに歩行者用の青信号は24秒)
 また、青信号の灯火12秒後に道路を横断しはじめたときは、道路の中央付近で赤信号となり、高齢者が引き返そうかどうかと躊躇する危険な場面もありました。本人の評価以上に歩行能力は落ちていたようです。(データは月刊「自動車管理」1999年7月号による)
まず、歩行者の動向を確認!
 ドライバーの皆さんは、車道の信号が青になっても、「渡り切れていない横断歩行者がないか」、「途中から横断を諦めて引き返してくる歩行者がいないか」など、歩行者の動向に十分気をつけましょう。
 また、横断歩道以外でも横断する歩行者を見かけたら進路を譲ってあげましょう。


 

  

子どもは音の出所に気づきにくい?
 子どもに向かってクラクションを鳴らしても子どもが反応しなかったり、逆に車に走り寄ってこられてヒヤリとさせられることがあります。これは、子どもが音の出所を正確には聞き分けられないためで、どのくらい音の出所を聞き分けられるのかを実験したデータでによっても明らかです。
 実験では、図のように1〜8の数字を配置した円の中心に6歳の子どもを目をつぶって立たせ、1〜8までの数字のどこか1か所から2回ずつブザー音を出し、どの数字の位置から聞こえたかを答えさせ、正解・不正解をチェックしました。実験結果を大人(43歳)と比較したところ、大人は、3,5,7,8の4箇所を聞き分けたのに対し、子供が2回とも正解したのは、5と6の2箇所しかありませんでした。つまり、子どもは大人に比べ、音の方向性を聞き分ける能力が乏しいことを示しています。(データは月刊「自動車管理」1999年6月号による)
「子どもは自動車に気づいていない」と考える
 子どもは音がどこから出ているのか、大人ほどよくわかりません。従ってドライバーの皆さんは、「クラクションを鳴らしたから子どもは車に気がついている」と、安易に考えるのは危険です。クラクションの方向に顔を向けない限り、子どもは車の接近に気が付いていないと考え、慎重な運転をしましょう。 
止まらない、無灯火の自転車が多い
 高齢者や若年者の自転車乗用中の事故も多い現状にあります。高齢者や若年者に限りませんが、自転車事故の原因に無灯火や一時不停止があります。
市街地などで、無灯火の自転車や一時停止の路地から飛び出してきた自転車にヒヤリとさせられた経験がないでしょうか?
 無灯火の自転車がどのくらいいるかを調べたところ、3〜5メートルの生活道路で、午後6時半から1時間観察した結果、通過自転車166台のうち、無灯火の自転車は149台(90%)でした。また、見通しの悪い一時停止交差点で午後4時から1時間観察した結果、直進自転車161台のうち、停止し左右確認したのは、わずか33台(21%)でした。(データは月刊「自動車管理」1999年10月、11月号による)
「ライト上向き」で自転車の早期発見
 自転車事故の防止は、自転車側のルール遵守によるのは言うまでもありませが、上記のような現実もあります。
 ドライバーは対向車がいないときにはライトを上向きにするなど積極的に自転車を見つけにいきましょう。とくに交差点付近では飛び出しを予測した徐行運転を心がけましょう。 

 

 

安全運転知識ワンポイントテスト

次の1.〜3.の問いについて、正しいものには○、誤りには×をつけて下さい。
1. 6歳未満の子どもを車に乗せるときは、チャイルドシートを使用する。
2. シートベルトは、腹部をしっかり巻くように装着する。

3.

自転車の夜間無灯火運転や飲酒運転は道路交通法の罰則が適用される。
答えはここをクリック