安全運転のポイント

8月の安全運転のポイント

いい運転、ハートフル
平成12年8月


 8月は帰省やレジャーなどで高速道路を利用する機会が増えてくる時期です。ところで、皆さんは、高速道路で車が故障して走行不能になったり、事故に遭遇した場合のことを考えたことがありますか? 高速道路上での事故や故障は、決して少なくありません。万一のことを考えて、そのような場合、どう対処するかあらためて確認しておきましょう。 

故障原因は、タイヤ(ホイール)破損がトップ
 まず、故障の状況を見てみましょう。
 ドライバーの皆さんの大半は、「最近の車は性能がいいし、故障なんてめったにしない」と思っているのではないでしょうか? ところが、日本道路公団の調査によると、高速道路での故障件数は、昨年151,511件もあり、約3分に1件の割合で故障が発生しているようです。故障原因は「タイヤ(ホイール)破損」「オーバーヒート」「燃料切れ」が多く、この3つで約55%を占めています。ドライバーの基本的な点検ミスが原因と言えますから当然、高速道路走行前には、空気圧のチェックや冷却水、燃料などの点検を忘れずに行えば防げるといえます。 
高速道路の事故は増えています
 昨年、高速道路(高速自動車国道と指定自動車専用道路)では12,986件の事故(人身)が発生し、前年に比べ957件(+8.0%)増加しています。死傷者数は21,402人で前年に比べ1,777人(+9.1%)増加しました。特徴として、普通乗用車の事故が多いこと(59.8%)、カーブより平坦直線車線上で事故が起きていること(87%)、事故の原因は前方不注視(42.6%)、動静不注視(16.4%)によるものが多く、

事故の形態(高速国道のみ)は車線走行中、あるいは停止中の車両への追突(49.1%)、分離帯やガードレールなどへの衝突という車両単独事故(24.5%)が中心であることが挙げられます。「高速運転安全5則」(イラスト参照)が活かされていない状況です。
 以上のように故障も事故も多いとなると「まさか自分自身にはないだろう」とは言い切れません。安全運転の5原則を励行するとともに事故や故障発生時の措置についても承知しておく必要がありそうです。

高速道路における事故や故障時の措置

まず、車を路肩に寄せて停止する
 故障や事故が発生した場合は、まずハザードランプを点滅(他の通行車両に注意を促すためであり、昼夜にかかわらず、可能なら駐車灯、尾灯、前照灯など全てを点灯したほうが良い)させ、惰力走行を利用するなどして車をできるだけ路肩に寄せ停止します。
 本線車道やトンネルでの停止は後続車に追突されるおそれがあり、次の後方防護措置(二次災害の防止)を速やかに行います。
 車の外へ出るときは、くれぐれも周囲の安全を確認します。突然の車の故障や事故に遭い、恐ろしさのあまり呆然として事故(故障)車の側に立ちすくんでしまったり、後続車に知らせようと車線上に飛び出して手を振って合図をするなどは、大変危険な行為です。
発煙筒、停止表示器材を路上に置く
 車の外へ出たら、二次災害防止のため発煙筒を使用して、停止車両があることを後続車に合図しながら、停止表示器材(三角停止板)を車の後方100メートル以上のところに置きます。このとき、路肩や路側帯を歩くのは危険ですので、ガードレールの外側を歩きます。負傷などで歩けないときは、「停止表示灯」を車の側方の路上など、後方から見やすい場所に置きます。
非常電話で故障(事故)の通報
 最寄りの非常電話を利用して、故障や事故の連絡をします。非常電話は通常1キロメートルごとに設置され(トンネル内は200メートル間隔)ており、慌てずに探します。近くにない場合は、後続車に異常を知らせながら進路後方にある非常電話で通報しましょう。「反対車線の非常電話がそばにあるから・・・」と、本線を横断するのはもっとも危険な行為ですので、絶対にしないようにします。
非常電話による通報の内容
 非常電話は、受話器をとると交通管制室につながりますので、落ち着いて次の事項を伝えます。
「故障」か「事故」かの区別
故障や事故の内容
非常電話のボックスの番号
(故障の場合)
故障の状況(パンク、燃料切れなど)
車の年式、車種など
(事故の場合)
死傷者の数
破損した車の台数
負傷者の負傷の状況や程度
車の周囲の破損の状況
道路上の状況など
救援を待つ間は、ガードレールの外側で待機
 非常電話で通報し、必要な危険防止措置をとった後で救援を待つ間は、車の中や路肩で待たず、必ずガードレールの外側、道路法面など安全な場所に避難します。

 

 

安全運転知識ワンポイントテスト

次の1.〜3.の問いについて、正しいものには○、誤りには×をつけて下さい。
1. 高速道路走行中に渋滞情報などをきくときのラジオの周波数は1620kHzである。
2. 高速道路のサービスエリアは、約50キロメートルおきに設置されている。

3.

高速道路の路肩は、とくに急いでいるときには一般の車両でも通行できる。
答えはここをクリック

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