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物体同志が衝突した場合「衝撃力」が発生します。衝撃力は、車の速さと重さに応じて大きくなり、また固い物に衝突したときのように、衝撃の作用が短時間に行われるほど衝撃力は大きくなります。たとえば、時速60キロメートルでコンクリートの壁に衝突した場合、約14メートルの高さ(ビルの5階)から落ちた場合と同じ衝撃力を受けます。衝撃力は、速度の2乗に比例して大きくなるため、速度が2倍になれば衝撃力は4倍、速度が3倍になれば9倍に大きくなります。このように速度が出ているほど、衝突時の被害が大きくなるため、最悪の状態を考えると、速度を控えめにコントロールすることが必要です。
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カーブや曲がり角を回ろうとするときには、自動車の重心に遠心力が働き、車は外側に滑り出そうとします。このため荷物の積み方が悪く重心の位置が高くなったり、片寄っていると車が倒れやすくなります。遠心力は、速度の2乗に比例して大きくなり、カーブの半径が小さくなるほど大きくなります。すなわち、同じカーブであっても速度が2倍になれば遠心力は4倍に大きくなります。そして、遠心力がタイヤと路面との摩擦力より大きくなると、車はカーブの外へ飛び出し、大変危険です。このためカーブの手前では速度を十分に落としておく必要があります。 | |
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車に働く自然の力の大きさを左右する最大の要因は、何といっても車の速度です。慣性力、衝撃力、遠心力は「速度の2乗に比例して大きくなる」という共通の特性を持っています。このことは速度を増せば増すほど、車の横滑り、転倒や、制動距離の延びによる衝突などの危険性が高くなること、また衝突後の被害の程度が甚大になることを意味します。 逆にこのことは速度を半分に落とせば、危険性は4分の1に減少することになるわけです。つまり自然の力の特性を知れば、「速度を控えめに」「要所で速度を落とす」などの、要は速度のコントロールがいかに事故防止に直結しているかが理解できるのではないでしょうか。 | |