この数年、人身事故で多いのは「追突事故」と「出会い頭事故」ですが、このうち「出会い頭事故」の大半は見通しの悪い交差点で発生していると考えられます。 なぜ見通しの悪い交差点で多発しているかといえば、互いに相手が見えないからです。したがって、出会い頭事故を防止するためには、確実に一時停止をして左右の安全確認を行うことが基本であることは言うまでもありませんが、それとともに相手に自車を見せて自車の接近を知らせるということも重要なポイントになります。 |
●まず停止、次に見せて、最後に見る |
どのようにして相手に自車を見せるのか、その方法をご説明しましょう。 |
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一時停止線で停止する。一時停止線のない場所では、車の先端部分が交差道路にはみ出さない位置で停止します(図1)。 |
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一時停止線からでは十分な左右の安全確認ができない場合が多いので、徐々に進行して車の先端部分が少し交差道路に出た時点で停止します。この位置からでも十分な左右の安全確認はできませんが、これは相手に自車の存在を見せることが目的です。これにより相手は自車の接近を知り、自車の動向に注意するようになります(図2)。 |
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この段階で、交差道路にはみ出し過ぎると道路の端を進行してくる自転車やバイクと衝突する危険がありますから、ほんの少しはみ出す程度にします。 |
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一時停止してから、再び発進し左右の安全確認ができる位置まで徐々に進行して停止して安全確認を行います(図3)。 | |
このように見通しの悪い場所では、まず安全な位置で停止する、次に「見せる」ために停止する、最後に「見る」ために停止するという多段階の停止が、出会い頭事故を防止する最も確実な方法です。 |
●夜間はヘッドライトを見せる |
夜間の見通しの悪い交差点でも基本は上記と同じですが、自車の道路側に一時停止が義務づけられていない交差点に接近するときは、交差点の手前で減速するとともに、ヘッドライトの上下を切り替えるようにします。そうすることで交差道路側の相手に自車の接近を知らせることができ、飛び出しなどの防止に効果的です。 |
運転に必要な情報の9割以上は目によって得られるといわれています。これは「見る」ことがいかに重要であるかを示していますが、視点を変えれば「見る」だけでなく、「見せる」ということも非常に重要であることを示しています。したがって、「見る」だけでなく「見せる」ということも常に念頭に置いた運転を心がけましょう。 |