安全運転のポイント

1月の安全運転のポイント

いい運転、ハートフル
平成18年1月


あけましておめでとうございます。今年も安全運転で、事故のない1年間にしましょう。
さて、冬期は積雪や降雪、路面凍結などで追突事故やスリップ事故が多発するときです。そこで今回は、雪道や凍結路の安全走行について考えてみることにしましょう。


雪道・凍結路の危険性
@ 路面が滑りやすく停止距離も長くなる
 雪道や凍結路は非常に滑りやすく、車の停止距離も長くなって、ブレーキをかけてもなかなか車は止まりません。特に雪の積もった交差点付近では、路面が踏み固められているために圧雪状態となり大変滑りやすくなっていることがあります。そのため赤信号で停止している車に追突するといった事故もよく発生します(図1)。
 また、凍結している路面は停止距離が大変長くなり、時速40キロの場合には約73メートル(空走距離・約11メートル+制動距離・約62メートル=約73メートル)にもなるといわれています。したがって、特に凍結しやすいといわれている橋の上やトンネルの中、濡れた路面の日陰の部分や切り通しなどは路面の状態に十分注意する必要があります。
空走距離とは、危険を発見してからブレーキを踏むまでに車が走行する距離をいいます。
制動距離とは、ブレーキを踏んで車が実際に停止するまでに走行する距離をいいます。
上記の停止距離は、空走時間は1秒、凍結路面における摩擦係数は0.1として計算したものです。

A スリップが起こりやすい
 雪道や凍結路ではスリップが起こりやすくなります。特にカーブではちょっとしたハンドル操作やブレーキ操作でスリップすることがあります。また、直線路でも急ハンドルや急ブレーキ、急発進、急激なシフトチェンジなどはスリップの大きな原因となります。
B 視界が悪くなる
 降雪時には前方だけでなく、サイドミラーやリアウインドーにも雪が付着するため、後方や側方の視界も悪くなります。また、フロントガラスに付着した雪でワイパーの拭き取り性能が悪くなり、視界をさらに悪化させることがあります。そのため降雪時は危険を見落としたり、発見が遅れやすくなります。
 したがって、ときどき安全な場所に停車してサイドミラーやリアウインドー、フロントガラスなどに付着した雪を取り除く必要があります。
C 路肩の雪が死角を作る
 除雪された雪が路肩に高く積まれて壁のようになっている場所では、路肩の雪が死角を作りその陰にいる歩行者などを隠してしまうことがあります。そのため歩行者などの発見が遅れがちになります。
D 一時停止線やセンターラインなどの道路標示が見えなくなる
 雪の積もった道路では、路面の一時停止線が見えなくなります。そのため一時停止線より前方へ出て停止してしまうというおそれがあります。
 また、積雪により道路のセンターラインも見えなくなりますから、対向車線へはみ出して走行する危険性も大きくなります。特に右カーブの場合はセンターラインをはみ出しやすくなり、対向車と正面衝突する危険があります(図2)。
雪道・凍結路の安全走行のポイント
@ スピードを十分落とす
 雪道・凍結路では、スピードを十分に落とすということが絶対条件となります。また、積雪のない道路を走行している場合でも、朝晩や山間部、橋上などは路面が凍結している恐れがありますから、スピードを落として走行します。なお、前方の交差点が赤信号の場合は、早めにブレーキを踏んで減速します。減速のタイミングが遅れると、交差点の手前で停止できずに交差点内に進入してしまう危険がありますから十分注意しましょう。
A 車間距離を十分とる
 雪道・凍結路では停止距離が非常に長くなることを常に念頭に置いて、前車との車間距離を十分にとっておきます。特に滑りやすい交差点付近では車間距離を長くとることが重要なポイントとなります。
B 急のつく運転をしない
 急ハンドル、急ブレーキは厳禁ですが、急発進、急加速、急激なシフトチェンジも避ける必要があります。

C カーブでは手前で十分に減速する
 カーブの途中でハンドルとブレーキの同時操作をすると、スリップする危険性が非常に高くなります。したがって、カーブの途中でブレーキを踏まなくてもすむように、カーブの手前であらかじめ十分に減速しておく必要があります。また、積雪のためセンターラインの見えないカーブでは、対向車線にはみ出さないよう十分注意します。
D 下り坂ではエンジンブレーキを活用する
 スピードの出やすい下り坂では、あらかじめシフトダウンしてエンジンブレーキを活用して走行します。坂の途中でブレーキを踏んだりシフトダウンするとスリップする危険がありますから注意しましょう。
E ブレーキはソフトに踏む
 雪道・凍結路では、ブレーキの踏み方が適切でないとスリップしてしまいます。特に、強くブレーキを踏み込むとタイヤがロックしスリップするおそれが高いので、じわりとソフトに踏み込むようにします。
F 前方が見えにくいときは一時待機する
 吹雪などで前方が見えにくいときには、最寄りの退避場所や安全な場所(高速道路ではサービスエリアやパーキングエリア)で一時待機し、吹雪がおさまるのを待つようにします。
G わだちのある道路では慎重に走行する
 わだちのある道路では、タイヤをとられてスリップしたり、タイヤがはまって抜けなくなるなどのトラブルが発生することがあります。わだちに入る前に減速するとともに、わだちの状態をよく観察して、わだちに逆らわずに走行するようにします。
H タイヤチェーンを必ず携行する
 スタッドレスタイヤなどの冬用タイヤでも、勾配のきつい上り坂ではタイヤチェーンを装着しないと走行できないことがありますから、必ずタイヤチェーンを携行します。また、高速道路などで電光掲示板に「チェーン装着」の指示が出されたときには早めにチェーン装着場やサービスエリアなどの安全な場所でチェーンを装着します。

 滑りやすい雪道・凍結路では、ちょっとした操作ミスが重大な事故に結びつきますから、必ずスピードを落とし車間距離を十分にとるとともに、常に周囲の状況や路面の状態に目を配って慎重な運転を心がけることが大切です。