安全運転のポイント

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10月の安全運転のポイント

いい運転、ハートフル
平成15年
10


 運転による疲労は運転の大敵、眠気と注意力低下を引き起こすので、その対策が重要です。疲労には、「ああ疲れた」と、疲労を自覚できるという大きな特徴がありますので、その自覚をもとに早めに対策をとることが可能です。対策には休憩をとること、余裕のある運転計画をたてること、体操することなどがあります。今回は運転による疲労の対策についてまとめました。

休憩を早めにとる
 疲労は休憩をとることによって回復します。疲れたと思ったら無理をせず早めに休憩をとるようにします。早めの休憩をとることで、疲労の蓄積をかなり減らすことができます。どのくらいの間隔で休憩をとったらいいかは、運転者の年齢、運転経験、運転目的、車両条件等により異なり一概には決められませんが、ひとつの目安は運転2時間くらいで1回の休憩(昼食時40分、その他10分前後)です。しかしあまりにも頻繁な、例えば1時間おきにとるなどという、休憩のとり過ぎも、かえって疲労をためることにつながります。また、疲れると甘いものが欲しくなるのは、脳や神経のエネルギー源が不足した証拠ですので、補給するのが合理的です。なお休憩時に簡単にできるリフレッシュ体操を後ほどご紹介しますので参考にしてください。
眠気を感じたら仮眠をとる
 眠気は疲労の一番大きなサインです。眠気を感じたら速やかに運転を中止し、安全な場所で仮眠をとります。仮眠の後は、全身体操でウォーミングアップしてから運転を再開します。(後述の、運転席や車の周囲で簡単にできるリフレッシュ体操を参考にしてください。)
 居眠り運転の防止策としては、昔から、ガムをかむ、缶コーヒーを飲む、固いせんべいを食べる、好きな音楽を聴くなどさまざまなアイデアが出されていますが、疲労による眠気は、睡眠をとる以外に回復の方法はありません。
穏やかな運転に徹する
 強引な車線変更を繰り返す、次々と他車を追い越す、速度を出しすぎるなど無謀な運転は、脳のエネルギー消費を増加させ、また緊張やストレスのために血圧の上昇や脈拍の増加を引き起こすので、ドライバーの疲労を早めます。他車と友好的な関係を保ち、穏やかな気持ちで運転することが疲労防止に有効です。
 職場の人間関係など日常生活でのストレスも疲れ易くさせる原因となります。このような場合の対処として、「自律訓練法」(心身をリラックスさせ健康にさせようという訓練法)などを実践してみるのも一つの方法です。
運転計画を十分に
 人の意識水準は夜明け前午前6時前後に最低になります。この意識水準の低い時間帯と疲労が重なると強い眠気が襲うとともに注意力・判断力は極端に下がります。長距離運転では、長時間運転した後の運転が夜明け前の時間帯にかからないよう計画します。また渋滞のイライラもストレスが高まり疲労を早めますので渋滞を避けた計画を考えます。
運転姿勢を正しく
 姿勢が安定しない運転では疲労が出やすくなります。以下のように運転の姿勢にも注意します。
@ ブレーキをいっぱいに踏み込んだ状態で膝に余裕ができる程度にシートを調節します。シートには深く腰をかけ、背もたれに背中をぴったりつけます。
A ハンドルの上端を握り、肘がわずかに曲がる状態に背もたれの角度を調節します。
B シートベルトの腰ベルトは骨盤を巻くようにしっかり締めます。
 

(以下は車の中、車の周囲で簡単にできるリフレッシュ体操です。)

 
ドライバーのためのリフレッシュ体操
 
肩こりをとる
@ 背筋を伸ばし、両手を上に伸ばす
A 手の平で天井を押し上げるように伸ばす。
B 6秒から12秒続ける。
肩と腕のだるさをとる
@ 腕をぶらりと下げてリラックスする。
A 肩を上下に動かす
腰の疲れをとる
@ 腰を両手で押し、胸をそらす
A 3秒ほど体をそらせ、息をはきながら3秒間自分のへそをのぞきこむ。
 
首の疲れをとる
首を左右にゆっくり動かす
足の疲れをとる
両足をそろえ、膝の屈伸運動をする。
肩・背中の疲れをとる
@ 車のボディに両手をつく。
A 両足を動かさないように胸を曲げ、次に腕を伸ばす。
腰の緊張をとく
@ 両手が地面につくように体を前に曲げる。
A 体を大きくそらし、空を見る。