安全運転のポイント

ニュース 

 最近、「信号が見やすくなった」「路側帯が広くなった」「標識が大きく見やすくなった」などにお気づきですか?確かに道路や施設に変化が見られるようになりました。これらは主として「交通安全施設など整備事業に関する緊急措置法」の長期計画に基づいて行われています。そして交通事故の抑止、歩行者の安全通行権の確保を目的として様々な対策が進められてきています。
 道路環境の改善は事故防止の大きな柱です。今回は、交通安全施設等の改善や工夫をいくつかご紹介します。

「歩車分離式信号」
 信号交差点での横断歩行者の死亡事故が多いことから、歩行者が青信号で横断歩道を横断中に右左折する車などが横切らないように考えられたのが「歩車分離式信号」です。スクランブル方式などいくつかの方式がありますが、下図は代表的な「右左折車両分離方式」の例です。歩車分離式信号については、警察庁が、平成14年1月から全国100か所の交差点をモデル運用交差点として新設しました。その結果、設置前半年の比較(前年同月比較)で182件発生していた死傷事故が設置後は112件と約4割も減少し、とくに「人対車両」の事故は30件から8件と約7割も大幅に減少しました。懸念されていた渋滞については大きな問題とはなりませんでした。警察庁ではこの調査結果をもとに、歩車分離式信号を全国的に拡大することとしています。

信号灯器のLED化
 電球式の信号灯器は、西日などの強い光が当たると反射し点灯しているように見えます。いわゆる「疑似点灯」が起こるという問題がありました。これを解消するためのものがLED(発光ダイオード)式です。これは、はっきりとわかる色の光を自ら発光するため何色が点灯しているのか確認しやすいというメリットがあります。また、LED式信号灯器の消費電力は電球式の約4分の1程度、寿命も従来型の約10倍と地球環境にもやさしいものです。
 車両用の信号灯器はすでに平成12年度からLEDへの切替えが進んでおり、歩行者用信号灯器のLED化は今後交通バリアフリーの目玉として積極的に推進されます。
道路標識・標示の大型化など
 道路利用者にとって見やすく、分かりやすくするため、工夫、改善が行われています。まず、道路標識の大型化、高輝度化があります。また、夜間走行時にラインや交差点の存在を知らせる標示の高輝度化、時間帯によって変わる交通規制を一つの標識で行う可変式道路標識なども設置されてきています。

「コミュニティ・ゾーン」
 いろいろな道路環境の工夫、改善が見られるものとして、いわゆる「コミュニティ・ゾーン」があります。例えば、「路側帯に色をつける」「車道を一部狭くする」「車道を一部クランクにする」「路面を凸形に舗装する(ハンプ)」などです。
 コミュニティ・ゾーンとは、一定の地区内において、歩行者の総合的な交通安全対策を展開するものです。(平成14年3月末現在168地区あります)
 東京都三鷹市上連雀地区を例にとると、ここでは学校や病院などが点在していることから、自動車通行部分の狭さく、ハンプの設置、最高速度の区域規制などを行ったところ、ゾーン内の交通事故が120件から53件に(約56%減少)、人身事故は41件から14件(約3分の1減少)と大きく減少しました。

 

都道府県単位でも以下のような取り組みが行われ、事故防止に結びつけています。
道路のセンターラインを消し、両側に路側帯を設け車道を狭くしたところ、事故の防止に効果がありました。県警ではドライバーの緊張感が高まったためと分析しています。(愛知県警)
交差点内にワインレッドの色を塗ったところ、交差点内の事故が減少することがわかりました。(岡山県警)
見通しの良い交差点付近に樹木を配置し、ドライバーの注意を喚起したところ、出会い頭事故が大幅に減少するなど効果があることがわかりました。(岐阜県警)


[戻る]