安全運転のポイント

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平成14年中の交通死亡事故の特徴
 昨年の交通事故による死者数は8,326人(前年比−421人、−4.8%)で、発生件数は936,721件(前年比−10,448件、−1.1%)、負傷者数は1,167,855人(前年比−13,100人、−1.1%)となり、いずれも前年を下回りました。とくに死者数は昭和45年に交通安全対策基本法が施行されて以来の最少死者数を記録し、過去最悪であった同年の16,765人の半数以下となり、喜ぶべき結果といえます。引続き減少させていきたいものです。そこで、今月は、警察庁の発表資料から昨年の交通死亡事故の特徴(主として前年との比較)をいくつかまとめてみましたので、参考としてください。

法改正の影響は?
 本年の死者数減少−421人についてみると、表1のとおり1月〜5月の減少に対し、6月〜12月の減少が大きいことがわかります。なかでも原付・自動車(第1当事者)による6月〜12月の死亡事故減少の寄与度が大きいことがわかります。特に死亡・重大事故につながりやすい飲酒運転による死亡事故においても1月〜5月に比べ6月〜12月の減少が際立っています。以上のことから、これは昨年6月に施行された悪質・危険運転者対策を柱とした改正道路交通法令の効果が表れたものと考えられます。なお、以上は14年の特徴ですが、死亡事故そのものは近年減少傾向にあります。その主な要因として警察庁は@車両の事故直前の速度の低下 Aシートベルト着用率向上 B歩行中死者数の違反の減少 を挙げています。    
表1  死者数・死亡事故件数(平成14年)

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状態別・年齢層別では?
 状態別・年齢層別死者数でみるとグラフ1のとおり「高齢者(65歳以上)の歩行中(1,500人)と自動車乗車中(692人)の死者が圧倒的に多く、次いで「若者(16〜24歳)の自動車乗車中(748人)」が目立ちます。
 前年との比較では各年齢層の自動車乗車中(−273人)、若者(16〜24歳)の自動二輪車乗車中(−48人)、50歳台の歩行中(−61人)の減少が顕著です。               
グラフ1  状態別・年齢層別死者数(平成14年)
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昼夜別では?
 昼夜別の死者数では、夜間が4,420人、昼間が3,906人で、例年同様、夜間が昼間を上回っていますが、最近はその差が縮小傾向にあります。グラフ2のとおり14年は「夜間の自動車乗車中」は前年より220人と大きく減少しました。夜間ではそのほか「原付乗車中」「歩行中」などが減少しています。
グラフ2  昼夜別・状態別死者数(平成14年)

(かっこ内は対前年増減数)

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法令違反別では?
 車両(原付以上)運転者が第1当事者となった死亡事故を法令違反別にみると、グラフ3のとおり、もっとも多いのが「最高速度違反」、次いで「漫然運転」、「脇見運転」などとなっています。前年との比較では、「脇見運転」、「最高速度違反」、「酒酔い運転」、「信号無視」が大きく減少しました。「安全不確認」、「過労運転」などは増加しました。
グラフ3  原付以上運転者(第1当事者)の主な法令違反別死亡事故件数(平成14年)

(かっこ内は対前年増減数)

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事故類型別では?
 事故類型別の死亡事故では、グラフ4のとおり「人対車両−横断中」が最も多く、次いで「車両相互−出会い頭衝突」、「車両単独−工作物衝突」などとなっています。前年との比較では、ほとんどの類型で減少していますが、なかでも「車両相互−正面衝突」が大きく減少しました。
グラフ4  事故類型別死亡事故件数(平成14年)

(かっこ内は対前年増減数)

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