安全運転のポイント

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 交差点内およびその付近で発生する人身交通事故の約4割は出会い頭衝突です。また、死亡事故に限定しても車両相互の事故類型の中では「出会い頭衝突」が最も多く、「正面衝突」を上回ります。今回は「出会い頭事故の防止」についてまとめてみました。
交通統計からわかる「出会い頭衝突」
   昨年の人身交通事故の約6割は交差点で発生しています(541,387件)。この交差点の事故では、車両相互による事故が大部分を占めていますが、なかでも出会い頭衝突が222,725件と最も多く発生し、交差点事故の約4割が出会い頭衝突となっています。
 出会い頭衝突の特徴には「夜よりも昼に多く発生している」「信号機のない昼の交差点で事故が多い」「約175件に1件が死亡事故となっている(追突事故では約553件に1件)」などがあります。
出会い頭衝突の事故パターン
   実際、出会い頭衝突が起きているのはどんな場合なのでしょうか?多発している事故パターンには「見通しの悪い交差点で一時停止を怠り事故となったケース」「一時停止をしたが、相手車両を見落とし衝突したケース」「カーブミラーだけに頼り、相手車両を目視で確認せずに見落としたケース」「見通しのよい交差点で相手が止まると思い込み衝突したケース」「信号機のある交差点で交差点を渡りきる前に交差道路から発進してきた相手車両と衝突したケース」などがあります。
   
    
一時停止を省略してしまうのはこんなとき
   交差点などで一時停止や安全確認を怠り、その結果事故を引き起こしてしまうケースが多く発生しています。なぜ、一時停止や安全確認を怠ってしまうのでしょうか?その原因はいくつか考えられますが、代表的なものに「通り慣れた道でいつも他の車は来ないから・・・と考え油断してしまう」「時間に遅れる、早く帰りたいなど急いだ気持ちから“急ぎの心理”に陥り、一時停止標識を見のがしてしまう」「道を捜したり、考え事をしながら運転していて、一時停止標識を見落としてしまう」「相手車線よりも自車線が優先だと勘違いしてしまう」「交差点手前で黄信号となっても“行けるだろう”と無理をしてしまう」などがあります。自分勝手な思い込みや急ぎの心理、考え事などによるぼんやり運転などが、一時停止や安全確認の怠りにつながっています。
出会い頭衝突を防ぐ方法
   出会い頭衝突を防ぐには、一時停止では必ず停車し、左右の安全をきちんと自分の目で確認してから走行するのが基本です。「人や車を見かけないから」と油断したり、ぼんやりと走行していると、交差点や一時停止標識を見落とす危険がありますので、十分注意します。どんなにすいている道路であっても「他の車や自転車が飛び出してくるかもしれない」と予測し、確実な一時停止を励行します。また、同じ道路幅の交差点の場合、自分の車線のほうが広く見えて自車線が優先道路と思いこみがちですので注意が必要です。
   
効果的な一時停止の方法
   交差点で一時停止をしたと言っても、ただサッと左右を見ただけでは、二輪車や自転車などを見落とす危険があります。信号機のない見通しの悪い交差点では、以下のようなポイントをおさえた多段階の停止(上図参照)が特に重要です。
1. 停止線で一時停止し、周囲の安全を確認する。
2. 少し進んで自車の頭を出し、再停止する。(自車を見せる停止)
3. 左右の確認ができる位置まで進み、もう一度停止し、安全確認する。