安全運転のポイント

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 先月号で、追突事故の特徴、原因をさぐり、追突防止のための運転態度、心構えについて触れました。今月号では、この運転態度、心構えを生かした、追突をしない、されない、より具体的な運転方法についてまとめてみました。
追突しないために
 
2〜3台前までの車の動きを読む
 追突しないようにするためには、運転時に「どこを見ているか」が、重要なポイントになります。直前だけでなく自車の2〜3台前の、かつ自車線だけでなく、隣りの車線も含んだ車の動きを読むようにします。そうすることによって、先行車の前に隣りの車線からの車が割り込んできたときなど、先行車の急な減速が察知でき、早めのブレーキ操作により、追突防止が可能となります。
 特に、初心運転者は、自車の直前に視点を置いて運転しがちですので気をつけましょう。
 
車間距離を確保する
 安全とされる車間距離を確実にとった運転も追突防止のために必要です。車間距離が不足していると、前走車の急減速、急停止に対応できず、ブレーキをかけても間に合わず、追突事故となる危険性が高くなります。安全な車間距離は原則的には基準となる停止距離(空走距離+制動距離)ですが、一般に、高速道路では、時速を距離に置き換えた数値(時速100キロなら100m)、一般道路では、時速30〜60キロ走行のときなら、時速から15を引いた数値(時速60キロのときは45m)以上が必要だとされています。しかし、前走車が急停止する可能性の高い交差点付近を走行するとき、疲れなどを感じるとき(危険認知の遅れ、空走距離がのびる)、雨天走行などのとき(停止距離がのびる)は、意識的に車間距離を長めにとる必要があります。
 
車間距離を確保する方法
 車間距離を確認する方法はいくつかあります。高速道路では、車間距離確認区間の基点標識を利用する、50mごとにある視線誘導標識(デリニエーター)や、白線部が8m、白線間が12mで引かれているレーンマークなどを目安に車間距離を確かめることができます。(図)また、高速道路、一般道路で、先行車が通り抜けたある地点(目印)へ、自車が何秒後に達しているかを数える「車間時間」という形で車間距離を確認する方法があります。車間時間をカウントする際は、「いち、に、さん」ではなく、「ゼロイチ、ゼロニ、ゼロサン」と実際の時間に合うように数えます。この場合、最低限で、一般道路では2秒以上、高速道路では3秒以上必要と考えておきましょう。
 
車間距離の目安と確認
 
高速道路では渋滞情報を活用し、ライトは上向きにする
 高速道路では、渋滞の最後尾の車に追突する事故が多く発生しています。走行中は電光標示板などを積極的に見て、渋滞情報を早めにキャッチします。工事や事故による渋滞情報を見たときは、それ以降スピードを上げず、いつでも減速措置がとれるように走行します。
 また、夜間の高速道路でライトを下向き(照射範囲約40m)にして走行していると、事故や故障で停止している車両などの発見が遅れ、追突する危険があります。ヘッドライトは、やむを得ない場合以外は上向きにして、必要に応じて下向きに切り換えて走行します。
追突されないために
 
ブレーキを踏む前には必ず後方確認する
 追突事故を防ぐには、追突されないような運転を心がけることも必要です。そのためには、後方の状況を常に確認する運転が大事です。(社)日本損害保険協会が行った実験によると、ベテランドライバーが10分間の走行中にバックミラーで後方確認をする回数は54回で、初心運転者の28回の倍近くになりました。すなわち、ベテランドライバーはそれだけ多くの情報を得て運転していました。後方確認は、追突される危険性を小さくします。とくに、ブレーキを踏む前には必ず後方を確認するクセをつけましょう。
 
後続車に減速・停止の合図を送る
 後続車に減速・停止の合図を送る運転も追突される原因をつくらないために大切です。
 走行中やむを得ず、減速しなければならない場合でも可能なかぎりブレーキは一度に踏み込まず、最初軽く踏んで後続車に停止や徐行の警告(合図)を出してから、踏み込みます。また、前方の渋滞を後続車に知らせる場合はハザードランプを点灯させます。この場合、ブレーキをかけてからハザードランプを点滅させるのでは効果が薄いため、渋滞を見つけたら即座にハザードランプを点滅させ、それから減速すると、後続車への合図となります。
   
 
駐停車は他車からよく見えるようにする
 高速道路で路肩などに駐停車した車に後続車が追突するケースも多く、注意が必要です。高速道路でやむをえず駐停車した場合は、続発事故を防止する措置を最優先で行いますが、このとき、停止表示器材を車の後方に、できれば2つ置き、後続車に注意を促します。夜間の場合は、ハザードランプ、駐車灯をあわせて点灯し、自車の存在を目立たせます。また、一般道路に駐停車する場合は、他車からよく見える場所を選び、夜間の駐車車両への追突事故も多いので、曲がり角付近は絶対に避け、ハザードランプ等を点灯するなどして自車を目立たせる工夫をします。
 
夕暮れ時は早めに尾灯を点灯する
 夕暮れ時、尾灯を点灯していない車は、後続車からは見えにくく、追突を誘発します。街灯が点灯し始めたときは、すでにかなり暗い状況ですので、夕暮れ時は早めにライトを点灯します。また、昼間でも雨天などで薄暗いときは、積極的にライトを点灯します。