安全運転のポイント

 皆さんは交差点できちんと一時停止していますか、自分以外の車はどうでしょうか。日本交通心理学会のある調査での「停止線の手前で完全に一時停止(タイヤが停止する)した車はほんの数パーセントであった」との結果が現実ではないでしょうか。ところが一時停止は今後の事故防止のキーとなる安全運転行動なのです。そこで、今月は「一時停止」についてまとめてみました。

一時停止は何のため
 交通事故のおよそ6割が交差点とその付近で発生しています。また、死亡事故で一番多いのは出合頭事故であり、その原因の大半は一時停止をしない、一時停止しても安全確認が甘いということにあります。従って一時停止することにより事故は防げるのです。大事なのは何のために一時停止するのかということです。この意識がないと形式だけの停止や、徐行で済ませてしまうことになります。一時停止の目的は相手の存在や行動を確認することにあります。ただ止まればよいというのではなく安全確認をしなければ意味がありません。
一時停止の効用は
 ではなぜ安全確認に一時停止がよいのでしょうか、「いちいち停止しなくても徐行でも確認はできる」という人がいるかもしれません。人間に知覚機能には限界があります。止まらない状態で瞬間的にさーと見る、パッと見るだけの瞬間視では視落としや見誤りを起こします。見落とし等を防ぐには少し時間をかけたり、繰返し見ることが必要なのです。また、私たちの視力は中心から離れるに従いはっきりと見えなくなるため、視野の周辺の状況を知る(安全確認を行う)には、頭を左右に回して正面でとらえなければなりません。これらの人間のもつ弱点を補うのが一時停止です。一時停止することで「周りを正確に見る、時間をかけて見る、繰返して見る、周辺にあるものを正面でとらえる」ことができるのです。
一時停止はどうする
 一時停止場所では、「減速して、右よし、左よし」の走行が多いと思われます。いままでのことからこれでは一時停止・安全確認にはなりません。これを「減速して、ピタリと止まって、右よし、左よし」にし、そして3秒の時間を費やしてみましょう。
 方法は、停止位置に接近したらまず減速し、停止位置できちんと停止し、ピタリと停止したことを確認します(1秒)。この完全停止を入れることがポイントです。次に頭を右側に向け安全確認をし(1秒)、続いて同様に左の安全確認をします(1秒)。この完全停止状態で安全確認を行うことを是非習慣としていきましょう。安全確認のために数秒間停止しても移動効率は下がりません。
「しっかり止まってはっきり確認」しよう
 「しっかり止まってはっきり確認」は日本心理学会が行っている一時停止・確認キャンペーンの標語です。止まるべきところではこの標語を活かして運転しましょう。一時停止の標識や標示のある場所ではもちろんですが、以下のような場所でも同じです。
 
踏切
安全地帯のない場所で停止中の路面電車の側方を通過するとき
横断歩道
歩道を横切るとき
横断歩道等の手前に停車車両があるとき
赤点滅信号
身体の不自由な人があるとき
ビルの駐車場
●こんなところでも一時停止しよう

 

 

安全運転知識ワンポイントテスト

忘れていませんか? 道交法
Q. 自動車専用道路は高速道路なので、普通乗用車の法定最高速度は時速100キロである?

答えはここをクリック