安全運転のポイント

6月の安全運転のポイント

いい運転、ハートフル
平成12年6月


 安全運転のためには、危険に近づかない、危険を作り出さない運転法が身についていなければなりません。つまり「走る、止まる、曲がる」という基本的操作技能が一定レベルにあって、習慣化されていることが必要なのです。これがないと車を動かすことが精一杯の、タイミングの悪い余裕のない運転になり危険であることはいうまでもありません。そして、この基本的操作技能も運転免許取得後レベルアップするどころか、むしろ日常的な運転の中で忘れられていることも多いのではないでしょうか。そこで基本的運転操作のポイントについて、今一度しっかり確認し、チェックしてみましょう。


ドライビング・ポジションを正確にとる
 運転席に座ったら、ドライビング・ポジションが正確であるか必ずチェックします。(図参照)これは、タイミングの良い、滑らかな操作のための基本中の基本であり、運転開始前のチェックを習慣化しましょう。この場合、大切なのは「アイポイントのチェック」「シートの座り方」「ペダルとハンドルとの位置関係」です。
 まず、シートの高さを周辺視野が広くとれ、道路全体を見渡せるように合わせます。低すぎるシートでは、運転時の視界に立体感(奥行き間隔)が薄れ、居眠りが出やすくなるのできちんと合わせます。また、背もたれを後ろへ傾けていたり、前すぎたりすると、コーナリング時に背もたれから体が離れ、安定した操作が難しくなり、また必要以上に疲労しやすくなるので、まっすぐに背中を立てて座ります。
 シート位置は、ハンドルやブレーキの操作に大きな悪影響を与えるため、前すぎたり後ろすぎたりしていないかチェックし、安定した手足の動きが得られるよう調節します。
アクセル・クラッチなどのコントロール
 アクセル・クラッチ、ブレーキの各ペダルの調節を「踏む・離す(オン・オフ)」の2つの動作だけで操作するようなクセはついていないでしょうか。このような操作では、車体が振れ、ギクシャクした走行となり、同乗者の車酔いの原因にもなります。とくに時速50キロを超えると微妙なアクセルのコントロールが必要です。「踏む・離す」だけの2つの操作だけではムラのある走行になり、必要以上のブレーキ操作、ひいては、あわて運転につながります。
 AT車は、アクセルペダルを不用意に踏み込みすぎると必要以上に加速します。この特性に注意し、加速がついてきたら予測した速度に達する前にアクセルを戻して速度調節します。

発進・加速はリズムとタイミングを大切に
 交差点では、他の車とリズムを合わせ、できるだけ同じタイミングで発進・加速し、一定の速度で走行することが大切です。このときアクセルコントロ−ルと滑らかなギアチェンジによる発進や加速が適切に行えないと、必要以上に車間距離が開いたり、追突(被追突)などの事故を招くことにもなりかねないからです。AT車は発進時の出遅れがありますので、注意します。
ハンドルはしっかりと保持を
 たとえば、直進時にハンドルを左右に細かく振るクセをもつドライバーがいます。車は路面の凹凸やわだち掘れなどの悪状況によって妨害されない限り、確かな直進性能をもっていますので無用です。とくに高速道路では、ハンドルを左右に細かく振ると蛇行したり、ちょっとした路面の凹凸で過剰にハンドルを切り事故になる恐れがあり危険ですので、このようなクセのあるドライバーは十分注意します。
 ハンドルは手首の力を入れず、手のひらと指でしっかり保持し、操作しましょう。
制動と減速は一体のタイミングで
 車のコントロールでは、「制動と減速」を一体に捉えることも大切です。ドライバーの多くには「ブレーキによる減速」だけが身についてしまっているため、そのままでは危険と判断しているのに「ブレーキを踏むまでアクセルペダルから足を離さない」という運転をしていることが少なくありません。しかしこの運転方法では、危険を発見してからブレーキをかけても間に合わないことがあり、とくに高速道路走行では大変危険な運転となります。
 走行中に危険を発見した場合は、「もしかしたら……」の段階からアクセルを戻し加速を中断する「制動・減速」の態勢をとり、エンジンブレーキで減速してからブレーキを踏みます。

 

 

安全運転知識ワンポイントテスト

次の1.〜3.の問いについて、正しいものには○、誤りには×をつけて下さい。
1. ブレーキペダルの遊びが少ないと、ブレーキが効いたままの状態になりやすい。
2. パワーステアリング車では、エンジンが止まるとハンドル操作が重くなる。

3.

左右のタイヤの空気圧が異なると空気圧の高い方へハンドルをとられる。
答えはここをクリック