安全運転のポイント

4月の安全運転のポイント

いい運転、ハートフル
平成12年4月


 4月1日より、6才未満の幼児を自動車に乗車させるときは、チャイルドシートを使用することが運転者に義務づけられます(違反点数1点)。チャイルドシートは、車に正しく取り付けることで万一の衝突の際に幼児の被害を軽減することができる保護装置です。そこで、幼い子どもたちの命を守るためにも、チャイルドシートの正しい使用方法などについて今一度確認しておきましょう。


チャイルドシートは正しく使用する
 JAFの調査によると、ここ数年のチャイルドシートの装着率はわずか8%前後と少ないものでしたが、法制化の決定にともない徐々に普及してきています。しかし、普及の一方で、「チャイルドシートが正しく装着されていない」「製品そのものに欠陥がある」「車のシートに合っていない」などのトラブルもあるようです。また、誤った使い方をしていて、衝突の際に子どもが飛び出してケガをしたり、死亡した例もあります。
 チャイルドシートは、基本的に運転者が自分で入手し、自ら正しく装着しなくてはなりません。まずは、大人がしっかりとした知識を持ちたいものです。
チャイルドシートを選ぶポイント
 チャイルドシートには、子どもの年齢や体格に合わせて「ベビーシート(新生児から9か月頃まで)」「チャイルドシート(4か月から4歳頃まで)」「ジュニアシート(4歳から10歳頃まで)」の3つの種類があります。
 購入の際には、運輸大臣が型式指定したマーク「自C-000」が付いているか、外国製品では欧州の「ECE規則」、米国の「自動車安全基準FMVSS」のマークがついているかを確認します。
 また、シートベルトが通しやすく、しっかり固定できる構造のもので、なるべく軽いものを選びます(イラスト参照)。

チャイルドシート使用時の注意
 チャイルドシートの取り付け方法は、種類やメーカーによって異なるため、取り付けの際には必ず「取扱い説明書」を参照し、車のシートに確実に固定します(シートベルトに「チャイルドシート固定機構」がついているときは、車の取扱い説明書を確認)。正しく取り付けることが最も重要ですから、取り付け後は取扱い説明書を参考に「グラついていないか」などをチェックし、不安のあるときは何度でも取り付け直して確実に固定しましょう。また、今後はレンタルやリサイクル品の増加が見込まれますが、事故歴や品質劣化などのチェックが必要です。
 なお、都道府県交通安全協会や市役所等ではチャイルドシートの貸し出し、あるいは購入代金の一部補助等を行っているところがあります。希望する場合は、最寄の交通安全協会等へ問い合わせます。
チャイルドシート非使用では、致死率・重傷率が高い
 (財)交通事故総合分析センターでは、平成6年〜10年までの交通事故統計データを使用しチャイルドシートの着用効果の分析を行っています。このうち、「チャイルドシート使用・非使用別の死傷者数」をみると、チャイルドシート非使用の致死率は、チャイルドシート使用時と比べて約4倍、死亡・重傷率は約3倍も高い値となっています(下表参照)。
 万一の事故から大切な子どもの命を守るためにも、チャイルドシートを正しく使用することが大切です。

チャイルドシート使用・非使用別の死傷者数

  死者数
(人)
重傷者数
(人)
軽傷者数
(人)
致死率
(%)
死亡・重傷率
(%)
チャイルドシート使用 29 4,290 0.05 0.72
チャイルドシート非使用 63 520 29,987 0.21 1.91
平成6年〜10年までの累計。使用不明、車両が大破した事故を除く。
致死率=死者数/(死者数+重傷者数+軽傷者数)×100(%)
死亡・重傷率=(死者数+重傷者数)/(死者数+重傷者数+軽傷者数)×100(%)

 

春の全国交通安全運動が実施されます

 4月6日(木)から15日(土)まで「春の全国交通安全運動」が行われます。今回の全国重点目標は「子どもと高齢者の交通事故防止」と「チャイルドシートとシートベルトの着用の徹底」の2つです。
 ドライバーの皆さんは、交通事故防止活動に積極的に協力し、よりいっそうの安全運転をお願いします。

 

 

安全運転知識ワンポイントテスト

次の1.〜3.の問いについて、正しいものには○、誤りには×をつけて下さい。
1. ここ数年の交通事故による幼児の死傷者数は、「歩行中」よりも「自動車乗車中」のほうが多い。
2. エアバッグ装備車でやむを得ず助手席にチャイルドシートを取り付ける場合は、座席をもっとも後方に下げる。

3.

チャイルドシートを取り付けたシートをリクライニングさせても差し支えはない。
答えはここをクリック